48: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2019/04/27(土) 03:00:12.80 ID:HvshuUb/0
だが次の瞬間、私達の言い争う声で眠っている桃子が寝返りを打った。
それなりに騒がしくしていたのだ。
当然と言えば当然だが、突然の出来事に私達は同時に息をのんで――ジッと静かにしているうち、
また何事も無かったように寝息が聞こえてきた所でようやく安堵の息を吐く。
「……全く、分かりましたわプロデューサー。そこまで言うならこの話は、また時間を作ってゆっくりと」
「いえ、こっちこそつい、熱くなって。……すみません。なるべく早く都合をつけますから」
ところが、謝りながら頭を掻く俺を彼女はジトッとした目つきで見据え。
「……なら最後に老婆心ながら言いますけれど、
謝れば何でも許されると思うのは大間違い。わたくし、約束の守れない人は嫌いでしてよ?」
――随分な言われようである。
とはいえ、私に短い文句を言った事で腹の虫もおさめたのだろう。
彼女は未だに眠り続ける二人の方に視線を移し、
不意に優しい笑みを浮かべると布団の傍へとしゃがみ込んだ。
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