5:名無しNIPPER[saga]
2019/04/19(金) 00:08:28.18 ID:ag3VAWFs0
しかし、女はするすると後退してしまった。
男は虚を突かれ、慌てて女を追う。が、それがいけなかった。
女は、間合いをつめようと前進してきた男に対し猛然と突進したのだ。
二度にわたり虚を衝かれた男は、慌てて剣をふるうも、女は身をひねりざまに男の肩口を切った。
大勢をくずした女が尻もちをつく。
「てやぁっ!」
男が跳躍し、必殺の一撃を繰り出す。転瞬、めざましい身体のうごきで女は間一髪で剣をかわし、そのまま男の右足の腱を浅く殺いだ。
今度は、男が尻もちをつく番であった。しかし、男への追撃がなされることはなく、女は既に剣を鞘へと納めていた。
「その足では、もう立てまい」
「あ……」
「隠居するがいい、あとは私に任せい」
「おそれいりました」
「ふふふ、見ろ、男、もう春だ。蝶が舞うておる」
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