【たぬき】神谷奈緒「あたしの髪には何かが棲んでいる」
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64: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/04/17(水) 01:43:58.49 ID:n5WgkvMD0


 なんで、そこまでして。あたしなんかの為に。


「離すなよ、奈緒。絶対に離すな……!」
「あヤバ、プロデューサーのズボン脱げる」
「ちょ、このままだとお尻見えちゃう!」
「お前が命懸けで、その白毛玉を引き留めようとしたように、」
「ずれるずれるずれる」
「パンツ見えた!?」
「俺たちもお前の……ねえ今ちょっと真面目な話してんだけど!?」
「脱げちゃうんだから仕方ないじゃん!!」


 凛が汗まで流して力を込める。加蓮も必死だ。プロデューサーさんは宙吊りのまま、両手でがっしりあたしの手をホールドしてくれる。
 ぶら下がったあたしは右手に意識を向けた。
 指に風が絡んで、綿毛がすり抜けてしまいそうになる。
 逃がさないだけでも必死だった。けど強く握り込んでしまうと、潰してしまいそうで怖かった。


 指の間に見え隠れするケサランパサランは、戸惑っているようだった。
 ぼわ、と膨らんで、あたしの声で小さく聞いた。


  『どうして』


 どうしてもこうしてもあるか。




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