理樹「この間、いきなり知らない人に抱きつかれてさ」恭介「なに?」
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名無しNIPPER
2019/04/12(金) 00:43:38.94 ID:x7B2k41w0
佳奈多「な、な、な・・・」
理樹(突然のことで何も反応が出来ていないのか全く身体を動かそうとしていなかった。僕だってまさか今の今までそんな行動しようとは思っていなかったんだからそれは当然だ。それでも僕は強く二木さんを抱くと彼女の制服が濡れるのをお構いなしでわんわん泣いた。とても情けない声で、誰かに聞かれてもおかしくないような声量でとにかく泣きじゃくった)
佳奈多「あのっ、ちょっと・・・!こ、これは・・・!」
理樹(僕に起きた事をまったく知らない彼女の前だからこそ逆に気兼ねなく感情を爆発させることが出来た。二木さんからしたら急に泣きつかれてとても迷惑だったかもしれないけど、そんなことは今はまったく考えられなかった)
理樹「グスン・・・ヒック・・・」
ギューッ
佳奈多「あう・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・
理樹(しばらくしてから僕はようやく正気に戻り、二木さんに平謝りした。冷静に考えてみると年頃の女性にいきなり抱きつくなんて到底許されることではない。でも意外にも二木さんから怒号はなく、僕の奇妙な事情の説明をしている時もただ顔を下に向け、コクリと頷きつづけるだけでほとんど言葉を発することはなかった。それが逆に怖くもあったけど)
理樹「ん・・・なんか甘いね」
佳奈多「ええ、今日は久々に甘い卵焼きを作ってみたの。あなたの食環境じゃあ、なかなか食べないんじゃない?」
理樹「というか初めて食べたよ。でも結構イケるね」
佳奈多「当然よ、昔練習したんだから」
理樹(胸の内を吐き出して、みんなから心配されなくなってからも結局表庭で昼ご飯を食べる習慣は消えなかった。真人には悪いけど、手料理を食べられる機会なんてなかなか無いし、しばらくは二木さんに甘えさせてもらう事になりそうだ)
理樹「・・・ねえ二木さん」
佳奈多「なに?」
理樹「・・・いや、やっぱりなんでもないや」
佳奈多「なによ」
理樹「あっ!凄いこのウインナータコの奴だ!」
佳奈多「ふっふっふっ・・・それはね・・・」
理樹(こうして僕は人に話すってこと以外で嫌なことを忘れさせる方法があるのを知った。なかなか荒療治かもしれないが、一度やってしまうと案外気が楽になるんだな。これが)
終わり
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