【ガルパン】みほ「私は、あなたたちに救われたから」
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83: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2019/04/13(土) 22:50:09.92 ID:xS+etstB0



ダージリン「そうかもしれないわね……私の心配は、ただのお節介で、ともすれば傲慢なのかもしれないわ……」


ダージリンが何も見たくないと言うかのように両手で顔を覆う。

その両手をそっと離して、潤んで、揺れる瞳でカチューシャを見つめる。


ダージリン「ああそうよカチューシャ。私は、善意や正義感であの子をそっとしておいたんじゃない。私は、私はただ……怖かったのよ」


それは、ずっと言うべきだった、ずっと言いたかった本心。


ダージリン「みほさんに触れることが怖かった。あの子の笑顔が怖かった。当たり前のように他人を演じる彼女が、怖くてたまらなかった」


大洗で初めてみほと会った時、ダージリンは内心動揺を隠すことで必死だった。

みほの現状は知っていたのに、覚悟していたはずなのに。


ダージリン「指先で触れるだけで壊れてしまいそうな彼女をただ、遠巻きにして、偉そうに心配して、それで自分を納得させていたのよ。何もしないくせに、できもしないくせに、それが、あの子のためだって」


仕方がない。自分に出来る事なんて無い。そうつぶやくたび安堵してしまい、同じくらい自身への嫌悪が押し寄せた。

そんな自問自答なんて何の意味もない自己満足だという事なんて気づいていたのに。



ダージリン「あの子が逸見エリカでいたいのであれば、それで良いのだと。時間がいつか解決してくれると。私は、そう思いたかった」

カチューシャ「私は、そうは思わなかった」


その独白を、カチューシャが打ち切る。


カチューシャ「誰かがやらないといけなかったのよ。最悪の結末なんてとっくに迎えているのだから。あとは、どれだけ傷が広がるのを防げるか。

       たとえ最後に深い傷をつけることになるとしても、やらないといけなかった。そしてそれが出来るのは、やるべきだったのが私だった。それだけよ」

ダージリン「……答えなんて、あったのかしら」

カチューシャ「……わかんないわよ。それでも私は――――覚悟して選んだわ。あの子を『壊す』選択肢を」




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