【ガルパン】みほ「私は、あなたたちに救われたから」
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669: ◆H9H0Q4zLDSTW[saga]
2020/07/11(土) 04:02:05.80 ID:qIHGvXuA0
その朗報にみほは一瞬喜びそうになるも、すぐさま表情を引き締める。

喜ぶのは後だ、今はまだやらなきゃいけない事があるのだから。

返事をしないみほに沙織たちもまだ緊張を途切れさせてはいけないと理解したのか、車内に沈黙が戻る。

すると、ざばざばと装甲を打っていた水の音と揺れが消え、代わりに履帯が大地を掴む硬質な振動に切り替わるのを感じた。川を越えたのだ。

そしてだんだんと砲撃の音が小さくなっていき、砲撃が止んだ。

黒森峰の射程から逃れる事が出来たのだ。


沙織「……大丈夫だよね?」


沙織が恐る恐る尋ねてくる。


みほ「……はい。少なくとも向こうの砲撃はもうこちらには届きません」


そう言った途端、沙織たちが同時に溜息を吐いた。


沙織「よかったぁー……」

麻子「とりあえず一安心ってことか」

華「ええ、未だわたくしたちは一人も欠けていません。みほさん、流石です」

優花里「西住殿!見事な判断でした!」


緊張の反動か和やかな空気が広がる。

けれどもみほは浮かない表情のままだ。

それでも優花里たちの言葉に応えようと無理やり笑顔を作る。


みほ「…………うん、ありがとう」

沙織「……みほ」

みほ「……大丈夫です。私は、大丈夫だから」


沙織が心配そうにみほの名前を呼ぶ。

返ってくるのはとても大丈夫なようには聞こえない儚く、弱々しい声。

そんな様子を大丈夫だなんて思えるわけが無い。

沙織たちは再び口を閉ざす。


みほ「……ごめんなさい、エリカさん」


小さく呟いたみほの声は、履帯の音にかき消された。




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