【ガルパン】みほ「私は、あなたたちに救われたから」
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375: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2019/07/14(日) 01:48:24.63 ID:LUa+0x7l0






大洗のパドックから離れ、観客席へと向かうダージリンの背中に、オレンジペコは先ほどから気になっていた問いを投げかける。


オレンジペコ「ダージリン様、今のは誰の格言なんですか?」


目の前の先輩は息をするようにあちこちで格言を吐く。

アッサム曰く、「昔はそんな事なかったんですけどね……」との事だが、あれやこれやと蘊蓄を交えて楽しそうに講釈するダージリンに付き合ってくれる同級生はそうおらず、

結果的に後輩でなおかつ同じ車両に乗ってる自分が彼女のお遊びに付き合う事になっていた。

格言を言った人物について知らないとダージリンは殊更得意げに説明してくるのでオレンジペコはアッサムから教えてもらったダージリンが参考にしているのと同じ格言の本を買ってあれこれと勉強していたのだ。

恐らく今後ダージリンと共にいる以外では使う事は無いであろう知識の吸収に時間を使うのは勿体ないと思わなくも無いが教養とは得てしてそんなものだと納得している。

……別にダージリンを嫌いとかそういう事は無いし、一年である自分を重用してくれる事に感謝と尊敬はしているが、それはそれとしてめんどくさい人だというのもオレンジペコの紛れもない本心なのである。

そんな風に色々思うところはあるものの、それでもここ最近は彼女の格言トークに付いていけていると自負していたが、先ほど彼女が言った格言には覚えがなく、

だというのにそれを知らない時にしてくる得意げな講釈が無いのでどうにも座りが悪い。

奥歯にものが挟まったような感覚を抱えたまま決勝の試合を観戦するのはあんまりにも精神的によろしくないと判断し、多少の長話は飲み込む覚悟で質問したのだが、



ダージリン「私」

オレンジペコ「へ?」


返ってきた答えにオレンジペコはあっけにとられてしまう。


ダージリン「たまには、自分の言葉を伝えたかっただけよ」

オレンジペコ「ダージリン様……とうとう自己顕示欲がそこまで……」


――元よりそのケはあったがまさかオリジナル格言まで作り出すだなんて……

先輩の将来にいくばくかの不安を抱いたオレンジペコにダージリンがむっと唇を尖らせる。


ダージリン「いいじゃない。ちょっとぐらいカッコつけたい年ごろなのよ」

オレンジペコ「いや普段からじゃないですか」

ダージリン「細かいわねぇ……それで、最後はあなた?」

オレンジペコ「え?」





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