【ガルパン】みほ「私は、あなたたちに救われたから」
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221: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2019/05/19(日) 00:50:22.31 ID:HjQKnQVP0


ねこにゃー「待って」

沙織「でもっ!」

典子「ちょっとだけ、待ってください」


ねこにゃーと典子の覚悟のこもった表情に沙織と桃は何も言えなくなる。

そんな彼女たちの様子を気にも留めず、梓とみほは向かい合っていた。


みほ「……」

梓「……いきなりぶたれたのに何も言わないんですか」

みほ「……理由は、分かってるし、私が悪いのもわかってるから」

梓「……私は、エリカ先輩が大好きでした」


脈絡のない梓の言葉をみほは黙って聞く。


梓「強くて、凛々しくて、風になびく髪が雪みたいにキラキラしてて、本気で戦車道に臨んでる姿が、本気になれるものが無かった私には輝いて見えて」


強張っていた梓の表情が言葉が紡がれるたびに柔らかくなっていく。


梓「だから、エリカ先輩みたいになりたいって、あの人の力になりたいって。そう思ってました」


口ずさむように思い出を語る梓が今度は唇を噛みしめ、悔しそうに、悲しそうな表情をする。


梓「でも、そうやって憧れた人はもう死んでて、嘘をついてたあなたは、そんな姿で、私……馬鹿みたいですね」

みほ「……ごめんなさい」


力なく肩を落とす梓に、みほが力ない謝罪で返す。

そんなみほを梓は舌打ちでもするかのように鋭く睨む。


梓「ねぇ、ありもしない人に憧れて、もういない人を信じてた私の気持ちは、憧れは、想いはっ…どこに行けば良いんですか……?」


信じていた人に裏切られた。それならまだ良かった。憧れが怒りになるのなら、あるいはあんな人を信じた自分が悪かったと言えるのならば、こんなにも梓の心は乱されなかっただろう。

けれども、梓が信じていた人なんて最初からいなかった。

目の前にいるのは憧れの人を騙っていた偽物で、

何よりも、『本物』なんて知らない事が、梓はたまらなく辛く、歯がゆかった。

握りしめた拳が真っ白になっていく。


梓「なんで、なんであんな嘘ついたんですか。なんで、私にあんな優しい言葉をかけたんですかっ!?なんで私に微笑んだんですかッ!?」






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