【ガルパン】みほ「私は、あなたたちに救われたから」
1- 20
150: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2019/05/05(日) 00:58:47.38 ID:GKT/EkqT0


ねこにゃーが少し焦った様子で止める。

梓がみほの事で動揺を未だに抑えられていないのは心配だが、だからといって当事者であるみほを探している今、その事を梓に尋ねるのは時期早々だと思ったからだ。

しかし、典子は梓を見つめたままキッパリと答える。


典子「いや、今話しておくべきだ」


その言葉に、典子にも考えがあるのだとねこにゃーは察すると、その視線を梓に向ける。

二人の視線に梓は視線を揺らすと、ぎゅっと手を握りしめる。


梓「……私、わかんないです。エリカ先輩が西住みほさんだって急に言われて。エリカ先輩はもう死んでるだなんていわれて」

ねこにゃー「……僕たちもだよ。急にいろんな情報が入りすぎて正直、今も混乱してる」

梓「隊長は……私たちを騙してたんですか?」


梓の声は震えていて、その瞳は否定を求めているかのように潤む。

ねこにゃーは、典子は、何も言わない。


梓「そんなわけない、そんなはずがないって何度も否定しても、心のどこかで思ってしまうんです。私たちに見せた姿は、

  私たちにかけてくれた言葉は、全部嘘だったんじゃって……」

ねこにゃー「……まぁ、そう思うのも無理はないかもね。亡くなった人の名前と姿で生きるって相当だもの」

典子「同感だ」

梓「っ……」


当然といった風に語るねこにゃーたちの言葉に梓は辛そうに顔を背ける。

そんな彼女の様子をねこにゃーは分厚いレンズ越しに優しく見つめると、その肩にそっと手を置く。


ねこにゃー「……だけど、私たちが見てきたあの人が、全部嘘だったかはわからないと思う」


梓にはその言葉の意味がわからず、どういう事かと視線で尋ねる。


ねこにゃー「澤さん、ボクたちはあの人に見つけてもらったんだよ」

梓「……はい」

ねこにゃー「戦車が好きで、だけど戦車道を履修するほどの度胸は無かった僕たちを見つけて、引っ張ってきてくれたんだ」


ついこの間の出来事なのにまるでずっと昔の事のようにねこにゃーは思い出を語る。


ねこにゃー「あの人は確かに僕たちに嘘をついていたんだと思う。それに傷つくのは仕方がないよ」


梓の気持ちが分からないなんて、ねこにゃーは言えなかった。

信頼していた人が嘘をついていたのは間違いなく、その事に傷つくななんてことを言えるわけが無かった。

だけど、


ねこにゃー「でもね、あの人が教えてくれたことに嘘は一つもなかった」


肩を掴むねこにゃーの手に力が籠められる。






<<前のレス[*]次のレス[#]>>
734Res/372.56 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice