【バーナード嬢曰く。】神林しおりの私小説【さわ×しお】
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11: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/03/14(木) 22:33:37.83 ID:3gAsdKZp0

 こいつは面倒くさがりだ。今でこそ頻度は減ったものの、本を読まずにあらすじで済ませたり、それどころかどうすれば上手に読んだ振りができるかに腐心する。つまりこいつは回り道をしない女ということだ。
 変な権謀術数を張り巡らせない。好きなものは好きだと言う。本にだって、それ以外にだって。
 私は何かを言わなければいけなかった。返事をしなければいけないと感じていた。それは使命と言い換えてもよかった。

 私の言葉で。

 幼いころから本の虫だった。だから、語彙だけは豊富な自信がある。名文と呼ばれる一文だって、かなりの数諳んじることができる。
 けれど、それらを用いることは、今この場にはそぐわない。
 文章をそのまま用いれば、それはあくまで引用に過ぎない。多少いじくってみたところで、オマージュの域を出ないだろう。私は別にクイズがしたいわけでなければ、ウィットに富んだ会話を楽しみたいわけでもなかった。




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