6: ◆2DegdJBwqI[saga]
2019/03/14(木) 03:31:20.55 ID:6J0cTy0so
「あ、うん」
と笑美莉は言った。口元を覆うマスクで声はくぐもっていた。
一拍置いて、気を取り直して、マスク越しでも十分なようにやや大きくはっきりした発声を意識して、
「おはよう」
と笑美莉は言った。笑美莉は、手汗がひどいことになっているのを智子に悟られたくなかった。
だってなんだか恥ずかしいから。
ハンカチは持っていた。
それでも、手を突っ込んだままになっているポケットの裏側と、もう片方の手は添えていたズボンの表の生地で、それぞれごくさりげなくぬぐった。
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