274:名無しNIPPER[saga]
2019/07/10(水) 18:01:53.31 ID:QarN0Zl90
刃踏は紺之介の話を快く引き受けると寺に駆け足で寄りて声を張り上げた。その声に応えるようにしてこれまた優男を漂わせる声色一つ。
寺の障子が一つ開くと眼鏡をかけたその声の持ち主は姿を現した。後ろからは数人の童の姿もちらついて見える。
茢楠「いやはやこのような何もない寺にお客様とは……申し遅れました。私、田布 茢楠-でんぷ れつなん- と申します。この助寺の管理を一任されているしがなき坊主にございます」
紺之介(なんだ……この男)
縁側を降り頭を低く保ったその男は常人視点にして如何にも聖人たる気を纏っていたが紺之介の勘は瞬時にその男の只ならぬ歪みを感じ取っていた。
故に既に下手のその茢楠に紺之介容赦のない揺さぶりをかける。
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