6: ◆Hnf2jpSB.k[saga sage]
2019/03/02(土) 20:53:57.19 ID:fEWrCF9Y0
「すごい……なんで分かったの?」
「顔に書いてあったからね」
7: ◆Hnf2jpSB.k[saga sage]
2019/03/02(土) 20:54:42.91 ID:fEWrCF9Y0
「嘘じゃないよ」
咄嗟に出た私の言葉に、柔らかい声が返ってきました。
8: ◆Hnf2jpSB.k[saga sage]
2019/03/02(土) 20:55:46.44 ID:fEWrCF9Y0
こんな風に言われたのは、初めてのことです。
周りのみんなとは正反対の言葉。
でも、本当に本当なんでしょうか。
どう受け止めればいいんでしょうか。
9: ◆Hnf2jpSB.k[saga sage]
2019/03/02(土) 20:56:37.74 ID:fEWrCF9Y0
「でもね」
ふっと、お兄さんの声が真剣なものに変わります。
視線を上げると、そこには真っ直ぐな目。
10: ◆Hnf2jpSB.k[saga sage]
2019/03/02(土) 20:58:00.49 ID:fEWrCF9Y0
私が、私を……?
何を考えているのか分からないと言われる自分。
気持ちをちゃんと表現できない自分。
11: ◆Hnf2jpSB.k[saga sage]
2019/03/02(土) 20:58:57.00 ID:fEWrCF9Y0
「というわけで瑞希ちゃん。カードマジックを教えてあげるよ」
にこやかに笑って、お兄さんは言いました。
12: ◆Hnf2jpSB.k[saga sage]
2019/03/02(土) 20:59:46.01 ID:fEWrCF9Y0
「手品に必要な才能って、なんだと思う?」
黙ったままの私に、質問が飛んできました。
13: ◆Hnf2jpSB.k[saga sage]
2019/03/02(土) 21:00:44.24 ID:fEWrCF9Y0
「一番大事なのは、タネを見破られないことだよ」
トランプの動きに目を奪われている私に、そう言いました。
14: ◆Hnf2jpSB.k[saga sage]
2019/03/02(土) 21:01:52.62 ID:fEWrCF9Y0
「だから、僕よりも瑞希ちゃんの方が手品に向いてると思うよ」
「……え?」
15: ◆Hnf2jpSB.k[saga sage]
2019/03/02(土) 21:04:51.12 ID:fEWrCF9Y0
無表情が羨ましいだなんて。
そんなことを言われたのは初めてです。
自分の嫌いな所を、羨ましいだなんて。
16: ◆Hnf2jpSB.k[saga sage]
2019/03/02(土) 21:09:52.45 ID:fEWrCF9Y0
一先ずここまで
多分に捏造・妄想が組み込まれていますが、どうかご容赦ください
ちょっと手直ししてから続きを更新したいと思います
お付き合い頂けましたなら、幸いです
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