37: ◆Hnf2jpSB.k[saga sage]
2019/03/03(日) 20:42:22.22 ID:r274B2Ys0
「瑞希ちゃん」
穏やかな瞳が私を見ています。
波立っていた胸の中が、少しずつ落ち着いていきます。
「もし瑞希ちゃんがやってみたいと思うなら、僕を信じてついて来てくれないかな?」
今でもまだ、私がアイドルに相応しいのかなんて分かりません。
私にアイドルができるのかも分かりません。
でも、お兄さんを信じることはできます。
手品を見せてくれた時のように。
手品を教えてくれた時のように。
きっと、私の世界を広げてくれるのでしょう。
そう信じることができます。
お兄さんは私の師匠で、恩人なのですから。
私の、お兄さんなのですから。
「はい。よろしくお願いします」
鏡はないけど、分かりました。
私、今、笑顔です。
<了>
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