23: ◆Hnf2jpSB.k[saga sage]
2019/03/03(日) 20:17:47.18 ID:r274B2Ys0
『はは。なら安心だ』
私の強がりは、きっと見抜かれています。
それでも、お兄さんはそう言ってくれました。
その気持ちに応えたいと、そう思うのです。
「この前テレビで見ました。弟子は師匠を超えるものなんだそうです」
『そっか。じゃあ、次に会うのが楽しみだ』
「はい。期待していてください」
受話器を置いて、ホッと一息。
あそこまで言ってしまっては、後には引けません。
もっともっと手品を練習して、まずはお兄さんをあっと言わせられるように。
でもそれは、オマケみたいなものです。
お兄さんが私に手品を教えてくれた理由。
私が頑張れる理由。
私が、私を、好きになれるように。
手品はそのきっかけなんです。
だから私は、頑張るんです。
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