201: ◆QjbAJuMwBnbV[sage saga]
2019/12/02(月) 20:58:34.00 ID:+wQYyx3b0
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冬の日
突然の雨に降られた梨子さんとマルは
予定していた買い出しを諦めて家に逃げ帰り
ずぶ濡れの冷えた体をシャワーで温めた
マルが体を拭き終えて台所に足を踏み入れると
先に上がっていた梨子さんが、食事の用意をしてくれていた
花丸「これおいしいずら」
熱々の野菜の煮込み料理を一口食べ、マルは感嘆の声を漏らす
梨子「有り合わせで作ったものだけど温まるくらいは出来るかなって」
はにかむ梨子さんはそう言ったけど、マルは目の前の料理しか見えてない
花丸「ううんちゃんと味も美味しいよ
シンプルなようで甘味があって歯ごたえもあるのに固くなくて」
梨子「市販のお出汁だけでの味付けだけど野菜の甘みが丁度いいでしょ」
花丸「うん」
返事もそこそこに、マルは熱々の野菜に夢中になっていた
そんな様子を見てにっこり微笑んで梨子さんも箸をつける
梨子「歯ごたえは煮込む時間が無かっただけだけど…案外丁度いい食感になってるのね…
これは調理時間をメモしておかなくちゃ」
小声でそう呟いた梨子さんの声は料理を堪能しているマルの耳には届かず
それから二人ともお椀の中身をたいらげるまで喋らなかった
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