186: ◆QjbAJuMwBnbV[sage saga]
2019/09/19(木) 23:11:54.88 ID:GPQd4PEy0
花丸「梨子さんこれ全部今の間に描いたの?」
マルは疑問に思っていることを率直に質問した
若干の気恥ずかしさとどう処理すればいいのか分からない空気には
話を逸らすのが一番ずら
梨子「え?ああ、うん。そうだよ」
僅かに困惑の色を見せかけた梨子さんだけど
すぐにいつもの穏やかな笑顔でマルにそう返した
スケッチブックはまだ開いたままだ
花丸「すごいずら〜、短い時間にこんなにたくさん描けるんだねえ」
梨子「いつもこうじゃないんだよ、今日は色々と重なって…ね」
花丸「いろいろ?」
梨子「実は最近作曲とか練習で忙しくてあんまり絵を描けてなくて…ちょっと久しぶりだったんだ」
花丸「なるほど…そういえばマルもあんまり本読めてないかも…」
梨子「大好きなことって、久しぶりだとすごく没頭しちゃわない?」
花丸「とってもわかるずら…おらも本を読んでて気付いたら朝だったなんてことが何度あったか!」
梨子「そうだよね♪…あ、でもごめんね花丸ちゃん」
花丸「えっ?なにが?」
梨子「ああほら、絵を描いてる最中に何度か目が合ったけどお話とか出来なくて」
花丸「あー…ああうん、それは大丈夫だよ」
梨子「絵を描くのが楽しくて嬉しくてつい夢中になっちゃってて…」
そうか、そういうことだったんだ
梨子さんはマルに絵のイロハを勧めるより何より
絵を描くことそのものが楽しくてたまらなかったんだ
分かってみれば納得
それはマルにもよく理解出来る感覚だったから
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