183: ◆QjbAJuMwBnbV[saga]
2019/09/15(日) 21:47:13.70 ID:1/chMXNS0
それからスケッチブックを手に戻って来た梨子さんは
先ほど言っていたように思い思いの場所に止まりスケッチブックのページを埋めていった
途中目が合った時にも、特にマルに話しかけるでもなく
にっこり笑ったり、小さく手を振ったりするくらいだった
さっき考えてたようなそうなったら辛いなあと思ってたことは一切起きなかったんだけど
なぜだかそれはそれで少し寂しい感じがして
人の心は複雑なんだなあ…と、マルはよく分からない納得をしていた
梨子「ところで花丸ちゃんの描いた絵、見せてもらってもいいかな?」
そろそろ帰ろうかとなった時、梨子さんはそう切り出した
花丸「えっ?」
もしやここから怒涛の絵画の授業が?と身構えるも
梨子「あっ、もし花丸ちゃんがよかったらでいいんだけど…私、自分以外の人が描いた絵を見るの、結構好きなんだ〜」
押してくる気配は露程も無く
花丸「そうなんだ…うん、いいよ。でも別に見て面白いようなものでもないからがっかりさせちゃったらごめんずら…」
まるで、押してダメなら引いてみなを実践されているような
そして見事にそれに引っかかってしまったようにマルはスケッチブックを差し出してしまう
梨子さんは笑顔だったり
感心したような表情を見せたりしながらページをめくっていく
その様子を見ているとマルは、なんだかむず痒いような気持ちになって思わず目を逸らす
花丸「!」
逸らした視線の先には、梨子さんのスケッチブック
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