141: ◆QjbAJuMwBnbV[sage saga]
2019/07/06(土) 16:49:59.62 ID:NBdnHv2K0
例えば、廊下で梨子さんが他の人と一緒に歩いて来ると
すれ違いざま挨拶をする時に、梨子さんとマルの視線が交わるようになりました
他にも、遠くに聴こえる梨子さんと他の人との会話…
例えば
“好きな色は桜色だけど壁紙に使ったら時々目に痛くて失敗だった”
だとか
“餃子にピーマンを隠して食べさせられてお母さんと喧嘩をした”
なんて話の内容が
自然とマルの記憶に留まるようになっていました
それはまるで、マルの記憶の目次の中に梨子さんの項目ができて
そこに梨子さんの情報が日々書き足されていってるようでした
だけどそうして梨子さんの情報が増えていく毎に
マルは不思議な満足感を得る一方で
人づての情報が増えれば増えるほど、なぜか梨子さんを遠くに感じてマルは
いつまでも自分から話しかけることができないまま悶々として過ごしていました
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