137: ◆QjbAJuMwBnbV[saga]
2019/06/30(日) 17:00:53.85 ID:RiTevVVj0
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夜
街灯もまばらな住宅地を抜けて
家路を辿る
自分でも何が面白いのか
吐く息を意識して白くさせながら、それが消えていくのを眺め、繰り返す
ときどき夜空に光る天馬を探してみるけど
どこにいるのかは分からない
いや、分からないというか知らない
プラネタリウムとか旅行先とかで何度か教えてもらった気がするのに…
というか、つい最近も教えてもらったばっかりなのに
星座って難しい
…忘れたわけだから知らないっていうのも違うかな?
そのことを覚えて無くても…
聞いたことも無いんじゃなくて、一度知ったはずなのに忘れちゃってる場合
忘れたっていうことを覚えてる場合って、それは知らないって言ってもいいのかな?
どっちでもいいかな?
どっちでもいいな
そんな感じで
ぐるぐるとどうでもいいようなことを考えながら歩く
暗い夜道は正直まだ慣れません
日の長い季節にはそれほど気にもなりませんが
練習を終えて家路につく時間帯は、冬にもなると真っ暗です
「真っ暗な海と波の音って、なんだか不思議ずら…」
不意に、つないでいた左手が引っ張られて
一緒に歩いていた花丸ちゃんが立ち止っていることに気付く
潮風で揺らされた繊細な髪が花丸ちゃんの頬をくすぐっている
ときどき見せる物憂げな表情が何を考えているのか、まだ私には分からない
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