40:名無しNIPPER[saga]
2019/03/08(金) 13:24:06.59 ID:86pcC2b80
「それに、これ……変な色ね」
染料で着色したにしては、その赤い布の色は何だか小汚かった。
赤い色というよりは、朱色と言うべきだろうか。明度としては暗く、不気味に映る。
とにかく、綺麗な赤色では無い事は確かであった。
「何だか湿った感じもするし……何なのかしら?」
塗料が完全に乾ききっていないのか、触った感触は湿っている。ますますちひろは分からなくなる。
色々とちひろは考えてみるが、全くといって可能性は思い当たらない。
そして先に中身の全貌を解明してしまおうとし、赤い布を四葉のクローバーの横に置き、後回しにした。
「後は……もう、無いのかしら」
お守りの口を大きく開いて確認するが、内部には何も見当たらない。もう何も残っていなかった。
四葉のクローバーと正体の分からない赤い布。これがお守りの中の全てであった。
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