104:名無しNIPPER[saga]
2019/03/20(水) 12:12:14.86 ID:ACwa9jOx0
智絵里は凶器を突き刺したのでは無く、ちひろの腹部に突き立てていただけなのであった。
だからこそ、ちひろは痛みを感じず、出血もしていなかったのである。
「なので、今回は許してあげますね」
にっこりと天使の様な笑みを浮かべつつ、慈悲深く智絵里はそう告げる。
「でもね、ちひろさん……」
だが、それは束の間の事であった。
一瞬にして、その表情は無機質なものにへと変化する。
「次は絶対に、許しませんから」
天使から悪魔にへと様相を変え、残酷にも智絵里はそう宣言した。
「それじゃあ……お疲れ様です」
ちひろからの返答を聞かないまま、智絵里は踵を返して事務所から出て行った。
一人残されたちひろは、智絵里が去った後、その場にぺたりと尻餅をついた。
そして二度と、あの二人を敵に回す様な事は絶対にしないと、心の中でそう誓うのであった。
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