103:名無しNIPPER[saga]
2019/03/20(水) 12:11:35.60 ID:ACwa9jOx0
勢い良く溢れ出る智絵里からの詰問に、ちひろは何一つ答える事が出来ない。
何かを言えば、余計に火に油を注ぐ事となり、智絵里をより激昂させるかもしれなかった。
それと恐怖も相俟って、おいそれと言葉を口には出来なかった。
「……私の邪魔をする人は、嫌いです
「だから、絶対に許せないです
「でも……」
智絵里はそう口にすると、ゆっくりと後ろにへと下がり、ちひろの腹部から凶器を引き抜いた。
「感謝しているのも、嘘じゃないです」
無表情のまま、智絵里はその刃先をちひろにへと見せつける。
そこには鮮血など付着しておらず、綺麗なままであった。
出ていたと思っていた刃も、柄の中に収納されていた。
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