【シャニマスSS】霧子「チョコレート、ツツジの花、フォークダンス」
1- 20
20: ◆/rHuADhITI[sage saga]
2019/02/15(金) 00:07:09.66 ID:zDo8rKZ40
歩いて、目的地にたどり着く。

明かりが点いている事務所を見上げる。

そうした時に、ふと呟きがもれた。

霧子「……まだ、いるのかな……」

息が白くなっている。

初めて事務所を見上げた時には、色はついていなかった。

それは春先のことだったから。

あの時のわたしは、何を思って事務所を見上げていたのだろう。

霧子(たしか……『変わらなくちゃ』って、ずっと考えてた……)

不安で包帯を巻いてしまう自分。

人とズレた感性を持つ自分。

今日みたいに、自由になれない自分。

それらを隠して、消してしまいたいと思っていた。

それらを『矯正』してしまいたくて、わたしはアイドルになった。

霧子(今もそれは変わらないけど……だけど……)

『変わらなくちゃ』から『変わりたい』へと、その思いは弱くなった。

そうしたのは、プロデューサーさん。

プロデューサーさんと過ごしている日々の中で、それは不思議と弱くなっている。

霧子「……まだ、いるよね……」

もう1度だけ、呟きがもれる。

階段を上る。

酸素を求めて息を吸う。

わたしの中の何かを、また弱めてもらいたくて。

わたしは階段を駆け上がる。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
37Res/39.39 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice