お友達「……私よりも、本が好きなの?」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/14(月) 21:31:35.64 ID:9sncYS350
「また懲りずに本を読むの?」
「うん……好きだから」

排泄を終えて、私はまた本を読む。
シクシク、シクシク、泣きながら。
ポロポロ、ポロポロ、泣きながら。
ペラペラ、ペラペラ、ページをめくる。

「……私よりも、本が好きなの?」

そう言われて、一旦、読書は中断する。

「おいで」
「いいよ……邪魔しちゃ、悪いし」
「それなら、私がそっちに行くね」

パタパタ、パタパタ、駆け寄って。
精一杯、思い切り、力一杯、抱きしめる。
思いが伝わるように、想いを伝えるように。
私は文章を書くのが下手くそだから。だから。
こうすることでしか、気持ちを伝えられない。

「好きだよ。大好き。大切なお友達だから」
「……トイレを見られたから?」
「……バカ」

それも含めて、私はお友達が大好きだった。

「涙が冷たいよ」
「ごめんね」
「でも、あったかい」

嬉しくて、ポロポロ、ポロポロ、涙が出る。
珍しく、お友達も、ポロポロ、ポロポロと。
綺麗な涙を流して、泣き合って、泣き疲れ。
眠ってしまったお友達を、胸に抱きながら。

私は懲りずに、また本のページを、めくる。


【大切で大好きなトイレのお友達】


FIN


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