44: ◆O.FqorSBYM[saga]
2019/01/06(日) 00:39:51.73 ID:S5Xl1a3+0
女囚人「...いいですか? 合図したら走り出しましょう」
女看守「...」
女看守「...わかった、やるしかない」
女囚人「...私が合図したら、一緒に走り出しましょう」
女看守「前方10時の方向が比較的手薄だ、あそこに向かいながら射撃を続けよう」
女囚人「わかりました、あとはタイミングがくるまで...」
──ピシュッ! ピシュッ! ピシュッ!
────バシュシュシュシュシュッ! バシュシュッ!
奴らの個体も無限ではない、ある一定の波があるはず。
まだまだ攻撃の手は止まらないが、絶対に抜け目が生まれるはずだ。
それを狙うしかない、残り少ない銃弾、それが来るのをじっと待ち続ける。
女看守「────っ!」ピクッ
そして、その時は来た。
このタイミングしかない、予想通り前方10時の方角の個体数が比較的減っている。
あの穴に向かえば負傷は免れないが、サッカー選手のように掻い潜ることができる。
女囚人「────今ですっ!」
女看守「────っ!」ダッ
──バシュシュシュシュシュッ! バシュシュシュッ!
────ピシュッ! ピシュッ!
アサルト、突撃しながらの射撃が穴を生み出した。
多少狭いものの、人1人分はなんとか通れる空間が生まれた。
だが生まれたのは空間だけではなかった、彼女の聴覚がそれを捉えていた。
女看守「────えっ」
女囚人「...ごめんなさい、1人だけなら確実でしたからね」
2人で2人分の穴を作るのは難しい、だが2人で1人分の穴を作るのなら。
一緒に走り抜けようというのはこの女の嘘であった、女性というのは嘘つきである。
どちらにしろ、ここを切り抜け洞窟外へと逃げたところで奴らは追ってくるだろう。
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