屍男「おい、そこのロクでなし」吸血娘「なんだ髪なし」
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◆gqUZq6saY8cj
[saga]
2019/04/06(土) 20:44:57.47 ID:v9qraTHso
屍男「……俺が生まれ育った場所は平凡な町だった。都会ではなかったが、そこまで田舎でもない。名前を出しても分からないような、そんなところだ」
屍男「家族構成は母が一人、父は俺が物心がつく頃にはもういなかった」
屍男「子供の頃に一度だけ、なぜ父がいないのか母に聞いたことがあった。母は離婚した、とだけ言い理由は話さなかった」
屍男「自然と俺も、そういうものなのだと理解し、それ以上は追及しなかった」
屍男「母は……とても立派な人だった。女手一つで俺を育てあげたのだからな」
屍男「不自由と感じたことは一度もなかった。だが、その陰では身を削るように仕事をしていたのだと思う。言葉には出さなかったが、俺はそんな母が自慢だった」
屍男「近所でもそんな母の評判は良かった。町を歩けば必ず母の知り合いに声をかけられたし、菓子を貰ったりもした。本当に……誰にでも優しく接することが出来る人だったんだと思う。俺と違ってな」
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