13:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/05(土) 00:54:15.78 ID:5AyZaIPq0
「しばらく、そこで反省すること」
「ふぁい」
頬を腫らして、トイレの前で正座していると。
「あっぶねー。マジ助かったわ」
裏切り者の恋人がヘラヘラと肩を叩いてきた。
「……お前なんかもう知らん」
「怒んなよ〜! ちゅーすっか?」
「……する」
「なんだよ、やけに素直で可愛いなあ」
だいぶ落ち込んでいたので素直に受け入れた。
「仲直りの……ちゅー」
触れるだけのキス。けれども、長く甘いキス。
「それにしても、めっちゃ、愉しかったな!」
「ふんっ……そりゃあ、良かったな」
「なんだよ、愉しかっただろ?」
「……まあ、な」
「照れんなよ〜! ほら、もっかい、ちゅー!」
なんか、キスで誤魔化されている女の気分だ。
それでも、怒りや憤りは、消えてなくなった。
姉が着付け直してくれた着物のおかげだろう。
トイレの芳香剤の香りが、鼻腔をくすぐって。
なんだか今年も良い年になりそうだと思った。
【仲直りのちゅーはトイレの後で】
FIN
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