131: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/02/02(土) 23:27:41.71 ID:hoU/oQbZO
だから川内が指差した先に山城が居ることには目を疑った。
しかし振り返ってみれば、素振りはあったかもしれない。
そういえば先日の山城が出撃部隊の救援を拒否した騒動では、珍しく川内が助け舟を出していた。
その出撃部隊というのが時雨を含んだ艦隊であったというのが問題を大きくしたのだった。
132: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/02/02(土) 23:29:09.66 ID:hoU/oQbZO
もちろん執務室は山城糾弾の熱気を一瞬にして帯び、最優先の救援部隊編成そっちのけで取っ組み合いが起こってもおかしくない状態になった。残念なことにその時は、神通や加賀といった冷静な振る舞いが期待できて発言力もある古参勢が不在だったというのに。
だからいつもは神通がやる役目を同じく古参の川内が引き継いだのだろうと、那珂は納得していたのだった。
だが今の話を聞くと、もしかするとその時既に川内は山城をお得意様としていたのかもしれない。
133: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/02/02(土) 23:30:03.65 ID:hoU/oQbZO
神通「たしかに。戦艦は闇夜に紛れて魚雷で肉薄攻撃するなんてスタイルじゃないですからね」
神通「そうなると避ける練習くらいしか出来ないと思うのですが」
134: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/02/02(土) 23:31:06.49 ID:hoU/oQbZO
神通「でもそこまでして避ける練習したいんですかね」
神通「というより、姉さん相手じゃ被弾する練習にしかならないじゃないですか」
135: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/02/02(土) 23:32:53.99 ID:hoU/oQbZO
川内「山城さんはね、自身の不幸を痛いほど理解してるの」
川内「不幸のせいなのか敵の外れ弾がやたら飛んでくるし、そのせいで被弾率は軒並みトップだし」
136: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/02/02(土) 23:33:55.85 ID:hoU/oQbZO
神通「なるほど...被弾前提というのはそういう意味なのですね」
神通「機関部だけは守って窮地での生存率を上げるためですか」
137: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/02/02(土) 23:35:07.40 ID:hoU/oQbZO
川内「それは違うよ!!!」
138: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/02/02(土) 23:36:12.59 ID:hoU/oQbZO
神通「姉さん...山城さんから何か聞いたんですか?」
川内「うん...」
139: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/02/02(土) 23:41:07.45 ID:hoU/oQbZO
那珂「でもさ、川内ちゃん」
今のやり取りを聞いて口を開かずにはいられなかった。
140: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/02/02(土) 23:43:39.13 ID:hoU/oQbZO
川内「悪いけどその事はこれ以上は言えないよ」
川内「私に言いふらす権利はないから」
141: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/02/02(土) 23:45:33.41 ID:hoU/oQbZO
川内「だけど、周りに流されないで欲しいの。先入観で、感情的に、山城さんの言動を受け止めないで」
川内「これは那珂があの日言ってたことでもある」
思い返せば、着任したてのあの時はそんなことを力説したのだった。
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