25:1[saga]
2019/01/04(金) 00:01:48.73 ID:+PVxP4ki0
「五代、この船を降りるぞ。」
「え?けど船で四国まで向かうんじゃなかったんですか?」
「その予定だったが修理に時間が掛かりすぎる。俺たちはヘリで向かうことになった。」
こうして警察上層部の指示で五代と一条はこの神戸港であかつき号から降りた。
どうやら彼らは急用らしくこのまま船の修理を待つ余裕はないらしい。
急いでこの神戸港にあるヘリポートに向かおうとした時だ。
「あの、手紙。これ書き写したヤツです。よかったら調べてもらえますか。」
そこへ哲也が駆け足でたった今書き写した手紙を持ってきた。
ぜえぜえと全速力で息を切らせながら走って五代に駆け寄りながら彼はこう言った。
「この手紙は姉が遺したモノです…俺…まだ姉さんの死に納得してない…」
「せめて…どうしてそんな真似に及んだのか知りたい…」
「初対面の人にこんなこと言うのは変かもしれないけど…」
「俺もせめて姉さんのことを笑顔で見送りたんです。」
「だからどうかお願いします。」
今の自分が出来ること。それは姉を笑顔で見送りたい。
哲也の意志を知った五代は彼から託された手紙を大切に預かった。
去り際、五代は親指を立ててサムズアップで応えた。
この手紙に書かれた意味を解き明かしてみると哲也に誓ってみせた。
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