22:名無しNIPPER[saga]
2018/12/28(金) 21:08:18.47 ID:JbQZeQhn0
こうしてはいられない。
急いで自宅に戻ってパソコンを立ち上げ、当局のシステムにアクセスし、とある個人情報を調べ上げる。
厳密に言えば、服務規律に違反する行為だが、それは今の僕にはどうでも良かった。
左腕に記されたイニシャルから突き止めた人物は、思った通りだ。
どうやら住所も一年前と変わっていないらしい。
いつだったか、ジイサンが僕に話したことがあった。
昔は雇用条件が今ほど厳しくはなく、恋人がいても従事できたこと。
そして、この仕事を始めた当時、ジイサンには恋人がいたこと。
「こんな仕事だし、幸せにできるワケねぇからすぐに別れたけどよぉ」
そして、その恋人さんは既に、子供を身ごもっていたらしいことを。
「なぜ、恋人さんと別れてまで、この仕事に就いたんだ」
僕はたぶん、何度目かの質問を当時もしていた。
そして、彼はこう答えていた。
「性に合っていたんだろうなぁ」
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