2:名無しNIPPER[saga]
2018/12/28(金) 20:09:47.27 ID:JbQZeQhn0
僕のパートナーは、この道何十年の大ベテランである。
と言っても、その人の見かけの歳は、僕とそう変わらない。
それは当然と言えた。
僕達は仕事柄、歳をとることがない。
従事する人間のほとんどは、20代〜30代前半。
肉体労働ではあるが、大仰なノウハウの蓄積が必要になるほど複雑な仕事ではないのだ。
しかし、僕は当然に、この仕事をずっと続けるつもりはなかった。
その一方、離職率の高いこの職場でただ一人、その大ベテランは何故か楽しそうだった。
ジイサンはいつも、妙に尖った鼻で、いつも鼻歌を歌っていた。
「どうだ、今の曲。
加山雄三、知ってるか?
テレビ観てたらまだ生きてんだなアイツ、ガハハ」
人懐こそうに下がった目尻を細め、大きな口で豪快に笑う。
古くさい人だなと、事あるごとに思った。
49Res/44.70 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20