渋谷凛「オーダーメイド」
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9: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/12/24(月) 18:39:10.01 ID:EXqurGBL0



 小さなお店でも二人で過ごすには広すぎるくらいで、ものすごく贅沢をしているような気がする。

 立食のパーティだとか、芸能人が集まる懇親会だとかに参加したことはあるけれど、二人だけのビュッフェパーティなんて初めてだ。

 目の前でお皿を並べているプロデューサーの顔を眺めていると、なぜか笑みがこぼれた。

「? どうしたの」

「ああ、なんかさ。楽しいな、って」

「喜んでもらえてよかった。気に入らなかったらどうしようかと」

「気に入らないわけないでしょ、もう。ここまでしてもらってさ。まぁ、ドレスは無駄だったけど」

「それはホントごめん」

「冗談だって。それに」

「それに?」

「今日みたいなクリスマス、好きだよ」

「ゆっくり二人だけで、って案外難しいもんな」

「うん。だから、遅くなったけど、ありがとね」

「こちらこそ。お忙しい時期に注文を聞いていただきまして」

「またそれやるの?」

「最高に素敵なお花をありがとうございます」

 はぁ、と息を吐く。

 仕方ない、付き合ってやろう。

「またの注文、お待ちしております」




おわり



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