7: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/12/24(月) 18:37:24.09 ID:EXqurGBL0
○
そろそろかな、と家の前に出ると、丁度プロデューサーの車が目の前に停まった。
ヒールを鳴らし、助手席の方に寄る。
ドアのロックが解除された音がして、間髪入れずに私はドアを開き、滑り込むようにして乗り込んだ。
「おまたせ。ドレス着てきたんだ」
「うん。あ、でもそう言うってことはドレスコードないとこなんだ」
「今日はちょっと趣向を変えてみようと思って」
「そっか。期待しとく」
「言えばよかった。ごめん」
「ううん。大丈夫……ドレス着てたら浮くとかないよね」
「ないない。そこは安心して」
「なら大丈夫」
「それに」
「?」
「大変眼福でございます」
「……そっか」
「照れてる?」
「照れてないよ」
「本当に似合ってる。かわいいよ」
「はいはい。ほら、前見て出発しなって」
プロデューサーは口先を尖らせて「本気で言ってるんだけど」と呟いてから車を走らせる。
私もその真似をして「わかってるってば」と小声で言って、窓の外へと視線を逸らした。
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