ダンガンロンパSS雑談スレ★12-SS速報VIP

ダンガンロンパSS雑談スレ★12

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142:名無しNIPPER
2019/01/26(土) 13:09:50.17 ID:5Jz++lhs0
冗談のはずがない。皆の命が政府の手の上にある以上、嘘を吐く必要がないのだ。命は平等だ、などと大東亜ではナンセンスな絵空事である。
　改めて思い知り、たちまち喉の奥が乾いていく。涼風未来（女子８番）は唾も呑み込めぬ状況で、刹那の主役――佐伯千絵（女子７番）を見上げていた。

　千絵の指の隙間からは死を呼ぶ電子音が漏れていた。首輪はあくまで冷静かつ冷酷に、明智真夜（担当教官）の支持通り、宿主と共に散華すべく鼓動を早めている。間近の死を噛み締める千絵が狼狽の顔色に染まっていく。

　がたん、と机が前倒しになる音が木霊し、続いて顔を紅潮させた飛田麻里乃（女子13番）の絶叫が室内に響き渡った。これまでで最高の鋭い眼光が真夜を貫く。

「テメエら、いい加減にしろよ！
「千絵を帰してよ！　何してるのよ！」
　同じく千絵の仲間である安生くらら（女子２番）や池内晴美（女子３番）も首輪への指令を解除してもらうべくくってかかったが、真夜に心変わりの意思は感じられない。麻里乃達が口での追撃を試みたその瞬間、真夜の表情が険しく変化した。

「いい加減、目覚めなさい！」　
　二の句を継がせぬ真夜の覇気に麻里乃達は気圧されかける。真夜が継いだ言葉は極めて理不尽なものだった。

「まさか佐伯さんを本当に帰すなんて妄想を抱いてたの？　勘違いも甚だしいわ。よくそんな自分達に都合の良いようにばかり考えられるわね、貴方達！」
「んだと、テメェ！」
　被害者その人である千絵が真っ先に、机を蹴り飛ばして真夜へと迫る。負傷しながらこの余力、これが火事場の馬鹿力か。鉛筆を握った手が会心の振り幅で真夜の頬へと迫ったが、それは難なく彼女の手で阻まれた。
　そのまま真夜が腕を高く上げると、身長で劣る千絵が爪先立ちで吊るされる形となった。血濡れの太股が更に痛々しく、激しく痙攣している。

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