【艦これ】阿武隈「北上さんなんて、大っ嫌いなんだから!」
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7: ◆axPwtNeSoU[saga]
2018/12/18(火) 23:47:19.66 ID:VBBUIhpA0

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着任初日。

小さな背中に大きな荷物を背負い、提督の執務室のドアの前に立った阿武隈は、手鏡を取り出して前髪を整えてから、何度も深呼吸を繰り返した。


「……そんな緊張しなくても、大丈夫だってば。うちの提督、見た目はいかついけど、割と大らかっていうかフレンドリーだから」


五十鈴が呆れたように阿武隈を見下ろす。


「だって、初対面の印象で、だらしない子だって思われたらやだもん! ねえ五十鈴お姉ちゃん、あたし大丈夫かなぁ? 前髪おかしくない?」

「だいじょぶだいじょぶ。あんたはちゃんと可愛い。……ほら、行くわよ」


ノックした後、「失礼します」と五十鈴が扉を開ける。


「こ、こんにちはっ!! 軽巡、阿武隈です!!」


ぶんっと勢いよく金髪お団子ツインテールの頭を下げた後、かぁっと頬が熱くなった。


……しまった、ここは「こんにちは」じゃなくて「はじめまして」だった。

それにどうせなら抱負とか自己アピールとか、もっと気の効いた言葉を付け加えれば良かったのに。

ああ、ドアを入るところからやり直したい。


……だが、いつまで経っても返事は返ってこなかった。


「……ちょっと、提督は? あたし、この時間に着任の挨拶に来るって、あんたに伝えてなかったっけ?」

「あー! ごめんごめん、提督に言うのうっかり忘れてたわ。今、大井っちと一緒に工廠に行ってるけど、そろそろ帰ってくると思うよー」

「……もう! せっかくあたしの妹が着任したっていうのに! あんた、一応主席秘書艦でしょ? 適当なのもいい加減にしなさいよね……っていうか阿武隈、あんたいつまで頭下げてんの」

「ふえっ!?」


顔をあげると、まず正面の壁にかかった「夜戦主義」という大きな掛け軸が目に入る。

その下には提督の席だろうか、立派な机と椅子があり、椅子ではなく机に一人の少女が腰かけて、脚をぶらぶらさせていた。


この人が秘書艦……なのだろうか?




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