【艦これ】阿武隈「北上さんなんて、大っ嫌いなんだから!」
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18: ◆axPwtNeSoU[saga]
2018/12/19(水) 00:23:50.90 ID:ER7oh7KA0


「夜戦まで、せめてどちらか一人は生き残れるよう二手に分かれた……? けど」


モニターの点を見ながら、阿武隈は呟く。

相手が予期していないところへの奇襲ならばともかく、これは戦闘を前提とした演習だ。

まして、大和型には、水上観測機が初期装備として支給されている。


「……ああっ、見つかっちゃった!」


北上、大井のそれぞれの動きが相手の水観に捕捉されるまで、演習開始からたいした時間はかからなかった。


「何考えてんの!? ただでさえ分が悪いのに、動きが相手に丸見えの状態で戦力を分散するなんて!? ……これじゃ、各個撃破のいい的じゃない!」


イライラと爪を噛む阿武隈。


ほう、と感心したように提督が声をあげた。


「戦術の基本は押さえているようだな。流石、かつての一水戦旗艦」


軍帽をかぶった巨体の男は、やや垂れ気味の目を優しげに細めた。

ぶ厚い手のひらを阿武隈の頭にぽんと載せ、わしゃわしゃと撫でる。


「わぁ! あんまり触らないでくださいよぉ! あたしの前髪崩れやすいんだから! ……提督、ちょっと北上さんみたいです」

「……おお、すまんすまん。つい癖でな」


気まずそうに提督が手を引っ込める。

手のひらの温かさが離れていく事に、少し残念な気持ちが湧き上がってきて、阿武隈は自分に対して焦りを覚えた。それをかき消すかのように首を振って目をモニターに向ける。

水観で相手の位置を捕捉した大和と武蔵は、それぞれが大井と北上の進行予測位置に向けて、西方向と北方向の二手に別れたところのようだ。


「火力で勝るぶん、一対一でも押し勝てると思ったか……いや、これはさっきの挑発が効いてるな」


提督の呟きが耳に入る。

北上と大井が、敢えて相手を怒らせて、一対一の状況に持ち込んだ、ということだろうか。

だが、それに何の意味がある?





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