【艦これ】阿武隈「北上さんなんて、大っ嫌いなんだから!」
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◆axPwtNeSoU
[saga]
2018/12/20(木) 16:20:24.79 ID:dKCyvHSA0
――――
――
――そして、月日は流れ。季節が巡る。
「いや〜……お星さまへのお願いが、まさか、こんなに効果あるとはねえ……」
北上が、感心したようにしみじみと呟いた。
「うっさい馬鹿ぁっ! これ、絶対北上さんの呪いのせいだからねっ! 絶対に許さないからっ!」
その前で顔を赤くしながら涙目できゃんきゃんと吠えているのは、見事改二への改装を果たし、その姿をお披露目したばかりの阿武隈である。
短い袖のジャケットとブリーツスカート、黒スパッツから伸びた手足はすらりと長く、以前と比べてほんの少しだけ、大人びた姿になっている。
鈴を転がすような甘く高い声と、体型の一部……胸部装甲だけは、まるで変わった様子を見せていなかったが。
「……あんたたち、ま―たやってんの?」
「毎日飽きないよね―。装備も北上さんの真似っこで甲標的使えるようになったみたいだし、ほ―んと、仲良いよね―」
「真似じゃないっ! 仲良くもないっ!」
呆れたように声をかける五十鈴と鬼怒に、阿武隈がむき―っと眉を逆立てる。
「そんな事より、時間は大丈夫なの? 武蔵さんたちが出稽古……じゃなくて、演習に来るのって、今日なんでしょ?」
「えっ? そんな話聞いてないよ?」
五十鈴に対してきょとんとする阿武隈。
「え―。でもさあ、さっき演習場行った時、武蔵さん、か―な―り、こめかみピクピクさせてたよ―? 『ここまで私を待たせるとは、小次郎を待たせた武蔵の戦法にちなんだあてつけか……?』とかなんとか言って」
「……あっ、そ―いや今日だったっけ。ごめん、すっかり忘れてたわ」
鬼怒の言葉と、めんごめんご、と両手を合わせる北上に、阿武隈の顔がさあっと青ざめる。
「きゃあああっ! 嘘でしょおぉっ!?」
泡を食って飛び上がる阿武隈と対照的に、北上はのんびりしたものだ。
「ま―ま―、ここまで遅れちゃったら、少しくらい変わんないって」
「そういう問題じゃないっ! 北上さん急いで支度して! ほら早く制服の裾直して! ……んうぅ、も―っ! あたしの指示に、従ってくださぁ―いっ!」
ばたばた騒ぐ二人を前に、鬼怒と五十鈴が顔を見合わせる。
「……やっぱり、仲良しだよね?」
「……よねえ」
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