【艦これ】阿武隈「北上さんなんて、大っ嫌いなんだから!」
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127: ◆axPwtNeSoU[saga]
2018/12/20(木) 15:21:04.26 ID:dKCyvHSA0


「……だから決めたの。するべき事も、出来る事も無いんなら、やりたい事をやってやるって」


阿武隈の言葉に違和感を覚え、北上は顔を上げた。


「北上さん。……あそこにあるもの、北上さんに見える?」


目の前に立つ阿武隈は、左手で北上の右後方を真っ直ぐ指差している。

つられて北上もそちらの方向に目を凝らす。変わったものは何も見当たらない。自販機の光が明るく輝いているだけだ。


「……? 別に何も……」


振り返ろうとした北上の懐に。

バシャリと水溜まりを踏み散らして飛び込んでくる気配。


「……っ!」


それまで自販機の光に目を向けていたために、明から暗への急激な光量の変化に目が追いつかず、視界が効かない。

とっさに後ろに下がろうとするが、阿武隈の全力での踏み込みがそれを許さなかった。


「だあっ!」

「ごふっ!?」


黒くぼやけた視界の隅から、阿武隈の拳が北上の腹に突き刺さる。

小柄とは言え体重の乗った強烈な一撃。北上の肺から、かはっ、と空気が絞り出された。


「な……っ、あんた、なに……!」


身体を曲げて脇腹を押さえ、よろよろと後ずさる北上を、阿武隈が傲然と見下ろしている。


「……言ったでしょ、やりたいことをやってやる、って」


顔の前に垂れたツインテールの片割れをばさりと右手で跳ね上げ、左手の人差し指を北上に向かって正面から突きつける。


「とりあえず……ムカついたから北上さん! 今からあんたをぶっとばす! 言っとくけど! あたし、怒ってるんだから! 覚悟してかかって来なさい!」





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