5: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2018/12/16(日) 23:55:43.13 ID:pUh8l9DQo
「ど、どうぞ…」
「ありがとうございますっ」
水の入ったコップを手渡します。注ぐ時に塩を混ぜた方がいいのかな…と思いましたが悪寒がしたので控えました。受け取った人魚さんはしっかりと両手で受け取るとんぐんぐと一気に飲み干していきました。
「ぷはぁっ、ふぅ…助かりましたっ」
「それは良かった…?」
良い飲みっぷりを見せた人魚さんから空になったコップを受け取ります。満足そうに目を細めた彼女は浴槽のへりにもたれかかっています。ちゃぷちゃぷと遊ばせている尾びれがお湯に写って揺らめくのが見えました。それを見ていたら、やっと私も落ち着いてきました。
「それで聞きたいんでしゅ…ですが、あなたは一体?」
「私は私、としか…」
すぐさま哲学みたいな答えを返されて、脱力してしまいます。なんだか馬鹿らしくなって、床に座り込みました。浴室の床はひんやりと冷たいのですが今の私には落ち着くような気がしました。
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