長富蓮実「ザ・ラストガール」
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32:名無しNIPPER[saga]
2018/12/14(金) 23:46:47.32 ID:wXX+fiS7o
 
――――――

引っ越しの前夜、
荷物をまとめていた私の部屋の扉が、こんこんとノックされました。

「蓮実、忙しい?」
「ううん。入っていいよ」

母でした。

「……明日なのね」
「……うん」

母はキャリーバッグに荷物を詰め込む私の隣にそっと座ります。

「ここだけの話……」
「ん?」
「お母さんも、子供のころはアイドル目指してたことあるのよ」
「そうなの?」

初めて聞いたことだったので驚きはしたものの、別段意外でもありませんでした。
なにせ、私のお母さんだから。

「そんなこと無理だって、自然と諦めちゃってたけどね。けど、私もセイコちゃんやモモエちゃんに、本気で憧れてたもの……小学生くらいまではね」

「……だから、蓮実のこと、尊敬してる」
「尊敬? お母さんが? 私を?」


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