長富蓮実「ザ・ラストガール」
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24:名無しNIPPER[saga]
2018/12/14(金) 23:37:58.62 ID:wXX+fiS7o
 
――――――

先生と一緒に音楽を聴いていく日々は結局、卒業式の前日まで続きました。

「こうやって長富さんと過ごすのも最後になりますか」
「高校に入っても、たまに遊びに来ますね」
「そうですか。あまり期待せずにいます」
「あ、ひどい。本気なのに……ふふっ」

先生は笑いを押し殺しながら、あみんのレコードを途中から流していきます。
サビのフレーズが印象的な一曲。本当は寂しくて切ないバラードなのに、会話の流れのせいで少し可笑しくって、

「えぇ、ここでこれですか?」
「先ほどの返事ですよ。あはは」

先生は2、3度、『私待つわ……』の部分を繰り返して、ようやく曲の頭から再生を始めました。

「……先生」
「何でしょう?」
「私って、変わり者ですよね」

小さい頃から好きなものがずっと変わらず、古びたナンバーを擦り切れるまで聴き続ける私の趣味がイマドキでないことくらい、とっくに分かっています。
「見る人からみればそうかもしれませんね」と、先生は正直に答えてくれました。


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