ターニャ・フォン・デグレチャフ「座薬型、演算宝珠……?」
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39:名無しNIPPER[sage saga]
2018/12/09(日) 01:45:27.12 ID:qy0gTOWh0
「ご苦労だったな、デグレチャフ少佐」

にこやかな笑みを浮かべて部屋に戻って来たシューゲル主任技師に詰め寄り、デグレチャフ少佐は猛烈に抗議した。

「ドクトル・臭下痢!!」
「なんだその臭そうな名前は!? 私の名前はシューゲルだ! ドクトル・シューゲルと呼べ!」
「そんなことはどうでもいいです! それよりも、どうして少尉の実験はこんなに短いのですか!? 納得のいく説明をしてください!!」
「セレブリャコーフ少尉については、起動すればそれで良かったのだ。故に実験は終わりだ」
「しかし、私は600秒も耐えました!!」
「貴官の場合は耐久試験も兼ねていたからな」

(このMAD。人をなんだと思っているのだ!)

デグレチャフ少佐は耐久試験であったのに対して、セレブリャコーフ少尉は純粋な起動実験だったらしい。だから、起動すれば終了だった。
そう言われてしまえば、それまでだった。

(不公平や不条理に対して、人間は酷く弱い)

デグレチャフ少佐は、改めてそう実感した。
しかしその反面、人間という生き物は、人よりも優遇されることを望む、愚かな生き物だ。
冷遇を嫌い、優遇を好む。身勝手極まりない。
要するに、自分が可愛いのだ。反吐が出る。
そうした本能が、自分にも備わっていることが嫌で嫌で堪らない。だから、理性で抑制する。

(大事な副官がこれ以上苦しまずに済む、か)

少佐はそう思うことで自分自身を納得させた。


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