ターニャ・フォン・デグレチャフ「座薬型、演算宝珠……?」
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26:名無しNIPPER[sage saga]
2018/12/09(日) 01:04:22.90 ID:qy0gTOWh0
200秒経過。

(私は……あまりに無力だ)

レルゲン中佐は未だ、何も出来ずにいた。
デグレチャフ少佐は相変わらず悶えている。
副官が宥めているが、長くは保つまい。
だんだんと、幼女のお腹が膨れ始めた。

(ああ、神よ……愚かな私をお許しください)

デグレチャフ少佐は楽しんでなどいなかった。
目の前に居るのは、帝国に身を捧げた生贄だ。
穿った見方で邪推していた自分が、許せない。

(そしてどうか、この幼女をお救いください)

このままでは少佐のお腹がパンクしてしまう。
人差し指を引き抜けば、恐らく救える。
しかし、懸命に任務を遂行しようとしているデグレチャフ少佐の献身を、無駄にしたくない。

(私は、どうすれば良いのだ?)

神に尋ねても、答えは返ってこなかった。

(ここに来て神頼みとは、呆れたものです)

そんなレルゲン中佐を冷ややかに見下すセレブリャコーフ少尉。祈ってもどうにもならない。
あらゆる手段を実践して、負担を減らそう。
そう思い、デグレチャフ少佐に意見具申した。

「デグレチャフ少佐」
「な、なんだ、副官。私はもう、余裕がない」
「呼吸法を変えてみては如何ですか?」
「呼吸、法……? なんだ、それは」
「吸う時は短く、吐く時は長くするのです」
「そ、それに、なんの意味がある……?」
「そうすることで、余計な力が抜けます」
「な、なるほど……まるで、妊婦だな」

ひっひっ、ふーっと、息をすることになった。


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