【シャニマスSS】甜花「シンデレラと」夏葉「サンドリヨン」
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88: ◆/rHuADhITI[saga]
2018/12/07(金) 23:26:50.75 ID:FY/Mf+h+0

演出家「少し前に、古い倉庫でボヤ騒ぎがあったんだ」

演出家「それで倉庫の整理をしてたら、コイツが出て来たんだよ。捨てても良かったんだが、一応な」

中身をパラパラとめくると、演技に関する研究ノートだと分かる。

ページいっぱいの書き込みから、持ち主の当時の真剣さが、ヒシヒシと伝わって来た。

夏葉「……あの人は何故、この劇団を辞めたんですか?」

当然の疑問だった。

演出家「嫌気がさしたんだろうさ」

夏葉「嫌気……」

演出家「何かと鋭い奴だったからな。気づいてしまったんだろうさ、俺と弟の軋轢に」

演出家「あいつは、見て見ぬ振りだって出来たんだろうけどな」

演出家「知った顔で捨て台詞を吐いてから、この劇団を去って行ったよ」

上役に捨て台詞を言っている彼を、明確に想像する事が出来ない。

しかし、理解は出来る。

現在の彼が持っている、目下の私達への寛容さ。

そこに繋がっていると思えば、それが事実だと信じる事は出来た。

演出家「奴に言わせると……」

別れ話の最後が語られる。

それを聞いて、今の彼に関する思考が吹き飛んだ。

それほど、その捨て台詞が印象的だったのだ。

演出家「『優秀な身内というのは、苦しいものですよ』だとさ」

思い浮かんだのは、自分の両親と甜花の顔。

そして、プロデューサーのノートにあった走り書き。

シェイクスピア曰く

『避けることができないものは、抱擁してしまわなければならない』



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