【シャニマスSS】甜花「シンデレラと」夏葉「サンドリヨン」
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109: ◆/rHuADhITI[saga]
2018/12/08(土) 00:14:57.37 ID:IqdcIphC0

夏葉「えっと……千雪、でいいのよね?」

千雪「はい。唯一の成年同士ですから、そういうのは無しでいきましょう」

会話の最初に、敬語を禁じられた。

話やすくて有難いのだが、いきなり年上の人に平常語で話すのは、やや気後れする。

夏葉(でもプロデューサーには、最初から敬語を外していたわね)

自嘲気味に笑う。

今にして思えばあれは、私なりの過信と不安の表れだったのだろう。

千雪「これ……とっても美味しいわ。上手なのね、夏葉ちゃん」

敬語を外す代わりと言う訳ではないが、せめて二人分の紅茶くらいは淹れさせてもらった。

紅茶を置き、つまみ細工とタテニシキに話を戻す。

夏葉「千雪の言う通りね。その髪飾り、本当に可愛らしくて綺麗だわ」

夏葉「手入れでもしていたの?」

彼女のプロフィールは、趣味『雑貨作り』、特技『裁縫・道案内』だったはずだ。

千雪「そんなところです。たまに陰干ししてあげないと、痛んじゃいますから」

千雪「あ……でも、それは半分かな。何か理由を付けて、眺めたくなっちゃっただけなのかも」

千雪がつまみ細工の方を手に取って、柔らかく微笑む。

千雪「この髪飾り、アルストロメリアでの仕事で使った物なんです」

千雪「思い出の品かな。また使うかもって思って、事務所に置いているの」

夏葉「どんな仕事だったの?」

千雪「縁日の取材のお仕事です。浴衣を着て行く予定だったから、それに似合う髪飾りを用意したんだけど……」

千雪「結局、三人とも浴衣を用意できなくて、髪飾りだけを付けていく事になっちゃいました」

千雪「ああ、えっと……そうですね……」

髪飾りに秘められた話を、始まりから顛末まで嬉しそうに千雪が語る。

ちょっとした、賢者の贈り物。

それもまた、私の知らない甜花の話であった。


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