74: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2018/12/26(水) 18:39:22.39 ID:9rFSBGbj0
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生放送がはじまった。
とくにトラブルもなく、にぎやかな空気に包まれて仁奈ちゃんの出番に近づいていく。
この放送が終わったら、プロデューサーに仁奈ちゃんを他の人に預かってくれるようにお願いしよう。
フレちゃんなら引き受けてくれるかもしれない。
あの子ならきっといい母親になると思うよ、あたしと違って。
舞台袖からニコニコと楽しそうに笑っている仁奈ちゃんの姿が見える。
本心からの笑顔なんだろーか。
わからない。
人の気持ちなんて理解できないあたしには一生理解できないんだと思った。
嫌われるなんていつものこと。今回はたまたまそれが長かった、それだけの話だ。
「じゃあ次は仁奈ちゃん、お願いしてもいいかな?」
仁奈ちゃんの出番がやってきた。
仁奈ちゃんは、はーいと元気よく返事をしてから立ち上がる。
それから手紙を広げて大きな声で読みはじめた。
「パパとママへ」
拙いながらも一所懸命にパパとママへの想いを綴ったその手紙はきっと素晴らしく感動的なもので、
朗読が終わりぺこりと頭を下げると、パチパチパチとあたたかい拍手が沸き起こった。
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