68: ◆GO.FUkF2N6[sage saga]
2018/12/23(日) 21:25:59.01 ID:l63Jdi8N0
「おかえり〜。ってその汗はどうしたの?」
「仁奈の母親が乗っている新幹線が、人身事故の影響で運転を見合わせ中だ」
「……」
「いまいるおおよその場所も聞いた。電車を降りてタクシーを拾ったとしても、本番までには絶対に間に合わない距離だ」
「……キミってそういう笑えないジョーダン言う人だったっけ?」
「こんな冗談つくわけないだろ」
額の汗を拭きながらむっとするその表情は、いつもの200%増しで青白い。
「ほんとうに……ほんとうに来れないの?」
「そうだ」
「そこで志希に頼みたいことが、っておい、なにやってんだ?」
仁奈ちゃんのママの連絡先は以前にプロデューサーに教えてもらっている。
番号は……あった、これだ。
ぷるぷるぷる、ピッ。
『…………はい、市原です』
どんよりと暗い声が聞こえる。
はじめて聞く、仁奈ちゃんのママの声。
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