27: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2018/12/09(日) 18:28:12.23 ID:WNr0Gect0
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さてさて。
ペットボトルに少量のお湯と線香の煙を入れてから蓋をする。
そして、ペットボトルをぎゅっと力いっぱい握りしめてから手を離す。
すると、なんということでしょう。ペットボトルの中に雲ができるのです。
「おおー、すげー!」
ぱちぱちぱち、と仁奈ちゃんの拍手が部屋に響く。
夏休みも中旬にさしかかり、仁奈ちゃんもレッスンが忙しくなってきた。
夏休みの自由研究をやる時間がとれないと悩んでいたので、ちょっとだけお手伝いすることにしたのだ。
「あとはペットボトルをつぶす力の入れ加減で雲の濃さが違うとか、そういうことをまとめればなんとかなるんじゃないかなー」
「ありがとーごぜーます! 志希おねーさんはまるでせんせーみてーですね!」
どーもどーも。
こんな実験でいいなら、いつでも付き合ってあげるよ。化学ともご無沙汰だったからいい気分転換になったし。
さて、10時を過ぎたし良い子は寝る時間だ。
いっしょに歯を磨いてから、電気を消して、そのままベッドにダイブ。
あっ、そうそう。うちには客用の布団なんてないから一緒のベッドで仲良く寝てるよ。
役得役得、ハスハス。
仁奈ちゃんのサラサラした髪からは、あたしと同じにおいがする。
使ってるシャンプーが同じなんだからとーぜんだけど。
でも。
澄んでいて、あったかくて、そして少しだけ寂しさがブレンドされたにおい。
市原仁奈ちゃんのにおいは、シャンプーの香りに隠れながらも、たしかにここにある。
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