30: ◆IULkuZ.Noal.[saga]
2018/12/02(日) 01:24:53.19 ID:3XuD1HsnO
少女「悪さって何をしたの?」
猿王「才能に溺れたのだ。自分以外の人間を見下して、思うがままに暴れ回った」
猿王「空を駆け、風を吹かせた。為す術なく逃げ惑う人間を、空から嘲嗤った」
猿王「そんな時、奴が現れた。自分より優れた存在などいないと信じていた吾輩は、奴に挑み掛かった」
少女「喧嘩?」
猿王「喧嘩にもならなかった。奴は強く、そして賢かった。何より、器が違った」
少女「うつわ」
猿王「度量というやつだ。心の大きさ、人を受け入れることの出来る人間だった」
少女「やさしい人ってこと?」
猿王「……そうだな。奴は優しすぎたのだろうな」
少女「?」
猿王「……吾輩は奴に負けた。負けて、目が覚めた。それ以降、奴と吾輩は友となった」
猿王「そして吾輩達は、嘗ての吾輩のような、傲慢で愚かな人間を成敗したのだ」
猿王「結果として吾輩達は勝った。しかし、吾輩はそこに残ることは出来なかった」
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